心理学用語

注意回復理論

注意回復理論(Attention Restoration Theory, ART)とは、ミシガン大学の心理学者であるレイチェル・カプランとスティーブン・カプランによって提唱された理論です。この理論では、人間の注意力は、自然の中で過ごすことで回復することができるとしています。

ARTによると、人間の注意力は、自発的注意と非自発的注意に分類されます。自発的注意とは、意図的に何かに集中する注意力です。例えば、勉強や仕事など、何かに集中しているときには、自発的注意が使われます。一方、非自発的注意とは、意識せずに何かに注意を向ける注意力です。例えば、散歩をしていると、自然の風景や音に注意を向けていることがあります。

ARTでは、自発的注意は、疲労しやすく、回復に時間がかかるとしています。一方、非自発的注意は、疲労しにくく、回復が早いと考えられています。そのため、自然の中で過ごすことで、非自発的注意が刺激され、自発的注意が回復すると考えられています。

ARTは、多くの研究によって支持されています。例えば、ある研究では、自然の中で散歩をした人は、都市部で散歩をした人に比べて、注意力や気分の改善が認められました。また、別の研究では、自然の中で過ごした人は、ストレスレベルが低下することが示されました。

ARTによると、自然の中で過ごすことは、注意力を回復させ、ストレスを軽減し、心身の健康に良い影響を与えると考えられています。そのため、忙しい日常生活の中で、自然の中で過ごす時間を作ることが大切です。

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注意回復理論とは|具体例をわかりやすく解説


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