フット・イン・ザ・ドア
フット・イン・ザ・ドアとは、小さな要求から始めて、徐々に大きな要求へとステップアップしていくことで、相手に大きな要求を承諾させやすくする心理的テクニックです。
このテクニックは、1966年にロバート・チャルディーニによって提唱されました。チャルディーニは、人間は一度何かを承諾すると、それを一貫して守ろうとする心理傾向があると指摘しました。この心理傾向を「一貫性の法則」といいます。
フット・イン・ザ・ドアでは、まず小さな要求を承諾させます。これによって、相手は「一貫性の法則」に基づいて、次の大きな要求も承諾しやすくなります。
例えば、街頭でアンケートの協力をお願いする際に、最初に「あなたの名前を教えていただけますか?」と小さな質問をします。この質問に答えると、人は「一貫性の法則」に基づいて、次の質問にも答えやすくなるのです。
フット・イン・ザ・ドアは、ビジネスやマーケティングにおいても効果的に使用されています。例えば、新製品を販売する際に、最初に「無料サンプルをお試しいただけますか?」と小さな要求をします。これによって、人は「一貫性の法則」に基づいて、次の本命の製品も購入しやすくなるのです。
フット・イン・ザ・ドアは、非常に効果的な心理的テクニックですが、注意点もあります。まず、小さな要求は、相手が簡単に承諾できるものである必要があります。あまりに大きな要求をすると、相手は拒否反応を示してしまうでしょう。
また、フット・イン・ザ・ドアは、あくまでも相手に何かを承諾させるためのテクニックです。相手に不快感を与えたり、騙したりしてはいけません。
フット・イン・ザ・ドアは、慎重に使用すれば、非常に効果的な心理的テクニックです。しかし、使い方を間違えると、逆効果になってしまうこともあります。そのため、フット・イン・ザ・ドアを利用する際には、注意が必要です。
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