ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

ドアインザフェイス・テクニックとは、断られることを覚悟で大きな要求をし、その後に、相手に同意してもらいたい小さな要求をする説得戦略です。このテクニックの背景にある考え方は、最初に大きな要求をすることで、それに比べて小さな要求がより合理的に見え、相手がそれに同意する可能性が高くなる、というものです。

例えば、ある慈善団体が最初に多額の寄付を求め、相手がそれを拒否することを承知の上で、次に少額の寄付を求めることがあります。次に、もっと少額の寄付やボランティア活動の依頼など、より小さな依頼をすることができます。2番目の要求は、それに比べてはるかに合理的に見えるので、人はそれに同意する可能性が高くなります。

ドア・イン・ザ・フェイスのテクニックが効果的なのは、互恵性の心理的原則を利用しているからです。誰かが小さい方の要求に同意して譲歩すると、相手は相手の譲歩に応えなければならないという義務感を持つことがあります。

しかし、このテクニックは倫理的に、また相手の感情や自律性に配慮して使うことが重要です。最初の要求が極端すぎたり、次の要求が関係なかったりすると、このテクニックが裏目に出て、両者の関係を悪化させることがあります。さらに、このテクニックを頻繁に使ったり、操作的に使ったりすると、信頼と信用を失うことになります。

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