内制止
内制止とは、古典的条件づけにおいて、条件刺激(CS)が条件反応(CR)を抑制する現象です。
例えば、犬にベルを鳴らしたときに食べ物を与えると、犬はベルを鳴らすと唾液を分泌するようになります。これは、ベルが食べ物と結びついたためです。しかし、ベルを鳴らしたときに食べ物を与えずに、ベルを鳴らすだけで犬をしばらくの間待たせておくと、ベルを鳴らすと犬は唾液を分泌しなくなります。これは、ベルが食べ物と結びつくことができなくなったためです。
内制止は、条件刺激が条件反応を抑制する現象であるため、外制止と区別されます。外制止は、条件刺激と同時に別の刺激を与えることで、条件反応を抑制する現象です。例えば、犬にベルを鳴らしたときに食べ物を与えると、犬はベルを鳴らすと唾液を分泌するようになります。しかし、ベルを鳴らしたときに同時に電気ショックを与えると、犬はベルを鳴らすと唾液を分泌しなくなります。これは、ベルが食べ物と結びつくことができなくなったためではありません。電気ショックという強い刺激によって、ベルが条件反応を抑制したためです。
内制止は、様々な場面で起こる現象です。例えば、試験勉強をしているとき、試験勉強をしているとお腹が空いて勉強が進まなくなることがあります。これは、お腹が空いているという刺激が試験勉強という活動を抑制しているためです。また、仕事で忙しいとき、仕事に集中していると家族との時間を過ごしたくなることがあります。これは、仕事という活動が家族との時間を過ごすという活動を抑制しているためです。
内制止は、人間の行動を制御する上で重要な役割を果たしています。内制止を理解することで、自分の行動をコントロールし、より効果的に目標を達成することができます。
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